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AIでSOCの手作業3割減、でもリスクは25%増 ガートナー予測

3行まとめ

  • AIを広く導入したSOCでは、2028年までに人手によるインシデント対応が30%減るとガートナーが予測しました
  • 同じ2028年までに、エージェントベースのアタックサーフェスによってリスクが25%以上増えるとも指摘しています
  • 効率化と新しいリスクが同時に来る予測です。空いた人手の振り向け先が次の論点になります

何が起きたか

米調査会社ガートナーが、セキュリティ運用の未来について2つの数字を示しました。2026年8月にITmediaが報じた予測です。

1つ目は効率化です。AIが広範に導入されたSOCでは、2028年までに人手によるインシデント対応が30%減る見通しだとしています。減るのは人員そのものではなく、人が手を動かす対応作業です。ここは読み違えやすい点です。

2つ目はリスクです。同じ2028年までに、エージェントベースのアタックサーフェス(攻撃対象領域)により、リスクが25%以上増えると指摘しています。ガートナーはあわせて、セキュリティリーダーの優先事項としてIAM強化へのAI投資などを挙げました。

なぜ難しい・何がすごいか

この予測の核心は、「30%減」と「25%増」が同時に来る点にあります。片方だけなら話は単純です。守りが楽になるなら人を別の仕事に回せばいい。リスクが増えるなら守りを厚くすればいい。ところが両方が同時に起きます。

構図はこうです。守る側はAIで定型作業を自動化し、手が空きます。同時に、業務に入り込んだAIエージェント自体が新しい攻撃の入口になります。守る側の武器と、攻められる場所が、同じAIから生まれる。だから「3割楽になるから安心」とも「リスクが増えるから危険」とも一言では片付けられません。空いた手をどこへ振り向けるか。そこが問われる予測です。

用語ミニ辞典

  • SOC(セキュリティオペレーションセンター): 企業のシステムを監視し、攻撃の兆候を見つけて対処する専門チーム・拠点です。
  • インシデント対応: 不正アクセスやマルウェア感染などの事故が起きたときの、調査・封じ込め・復旧の一連の作業を指します。
  • アタックサーフェス(攻撃対象領域): 攻撃者が足がかりにできる入口の総体です。システムや接続点が増えるほど広がります。
  • IAM(アイデンティティ・アクセス管理): 「誰(何)が、どこに、どこまでアクセスしてよいか」を管理する仕組みです。

技術者向けの深掘り

注目すべきは、優先事項としてIAM強化へのAI投資が挙がっている点です。エージェントベースのアタックサーフェスという言葉と並べると、つながりが見えてきます。AIエージェントは人に代わって認証を通り、権限を持ち、システム間を横断します。アクセスする主体が人間以外に増える。管理すべきIDの数と種類が膨らむわけです。

「30%減」の対象は、あくまで人手による対応作業です。アラートのトリアージや定型的な初動がAIに置き換わっていく、という読み方が素材に忠実です。SOCの人員削減率を示した数字ではありません。自動化で浮いた工数を、増えていくエージェントのID・権限管理に回せるかが、運用設計の焦点になります。

これは自分に関係ある?

  • AIやテックの動向が気になる人: 「AIがセキュリティの人を減らす」という単純な話とは違います。減るのは作業で、増えるのはリスクです。この読み分けを知っておくと、同種のニュースを読み違えません。
  • AI専門ではないエンジニア: 自分が組み込むAIエージェントが、そのまま攻撃の入口になり得ます。エージェントに渡す権限やアクセス範囲は最小にしておくのが安全側です。
  • セキュリティ・情シスに近い人: 2028年という期限つきの予測です。IAMまわりの投資計画を見直す材料になります。

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