3行まとめ
- 米国土安全保障省がH-1B専門職の外国人を米国企業が雇うときに使う就労ビザ。Amazon・Meta・Microsoft の3社が最も多く使っています。用語集でこの語を見るビザに10万3265ドルの手数料を課すと発表しました
- 前回の10万ドルは6月に連邦裁判官が無効にし、その前に70社超が払い終えていました
- 前回の値上げで、地方の病院とアラスカの公立学校の人手不足が悪化しました
何が起きたか
米国土安全保障省(DHS米国土安全保障省。今回の手数料を発表した省庁です。用語集でこの語を見る)は月曜、H-1Bビザに10万3265ドルの手数料を課すと発表しました。H-1Bは、専門職の外国人を米国企業が雇うときに使う就労ビザです。
トランプ大統領は6月にも、同じビザに10万ドルの手数料を課そうとしていました。連邦裁判官はその手数料を無効にしました。ただし無効になるまでに、70社を超える雇い主が10万ドルを払い終えていました。
今回の発表は、その10万ドルを10万3265ドルに引き上げます。同じ日には、国務省が亡命を申請した人の非移民ビザを最大20万件取り消す計画も伝わりました。
なぜ難しい・何がすごいか
H-1Bは米国の巨大テック企業の代名詞として語られてきました。この制度で働く人を最も多く抱える雇い主が Amazon・Meta・Microsoft の3社です。だから手数料の引き上げも、巨大テック企業への課金として受け取られます。
前回の10万ドルで人手不足が悪化したのは、地方の病院とアラスカの公立学校でした。どちらも地元の人口が減り、専門技能を持つ移民労働者に頼る度合いを強めてきました。資格を満たす候補者を集めるのに元から苦労していた現場に、10万ドルが乗りました。
手数料はビザにかかり、雇う側の規模で変わりません。金額は一律です。同じ1件で、Amazon と地方の病院が同じ額を払います。
たとえ話
人気の会場で入場料だけを10倍にしたと考えてみてください。中に入れる人の条件も、審査の内容も変えていません。それでも、入場料を経費として飲み込める大口の団体だけが列に残ります。
個人や小さな団体は列を離れます。動いたのは値段だけです。審査を1文字も書き換えないまま、列に並ぶ顔ぶれが入れ替わります。
用語ミニ辞典
- H-1B: 専門職の外国人を米国企業が雇うときに使う就労ビザ。Amazon・Meta・Microsoft の3社が最も多く使っています。
- DHS: 米国土安全保障省。今回の手数料を発表した省庁です。
- OPT: Optional Practical Training。留学生が自分の専攻分野で12か月働ける制度です。延長の上限はSTEM分野の学生で24か月、特定の大学院学位を持つ人はそこからさらに延びます。
- FWD.us: Mark Zuckerberg らテック企業の経営者が2013年に設立した移民制度改革の団体です。
技術者向けの深掘り
DHSは、H-1Bの隣にあるOPTOptional Practical Training。留学生が自分の専攻分野で12か月働ける制度です。延長の上限はSTEM分野の学生で24か月、特定の大学院学位を持つ人はそこからさらに延びます。用語集でこの語を見るにも10万ドルの手数料を課す可能性をにじませました。OPTは、留学生が自分の専攻分野で12か月働ける制度です。実現すれば、留学生が米国で働き始める入口にも10万ドルが付きます。
移民制度改革の団体FWD.usMark Zuckerberg らテック企業の経営者が2013年に設立した移民制度改革の団体です。用語集でこの語を見るの代表 Todd Schulte は、今回の手数料をこう呼びました。
これは明らかに違法だ
Schulte は、狙いがOPTとH-1Bの2つをなくすことにあると述べています。その結果として会社は米国の外で立ち上げられ、人も米国の外で雇われる、と語りました。
徴収の順番も残ります。支払いが先でした。連邦裁判官が10万ドルを無効にする前に、70社超の支払いは終わっていました。
これは自分に関係ある?
請求先は会社です。前回の10万ドルを払ったのも、70社を超える雇い主でした。
米国での就労を見ている技術者に関わる制度は、H-1BとOPTの2つです。DHSは前者に10万3265ドルの手数料を発表し、後者にも10万ドルの手数料の可能性をにじませました。
医療と教育の現場を見ている読者にも関わります。前回の値上げのあと、地方の病院とアラスカの公立学校で人手不足が悪化しました。
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