3行まとめ
- Geminiが作る画像・動画・曲の目に見える透かしを、設定で外せます
- 目に見えないSynthID生成物に目に見えない形で埋め込むGoogleの透かし。人の目では気づきませんが、判定する側は読み取れます。とC2PAコンテンツの出どころをメタデータとして記録する業界規格。何で作ったかの情報をファイルに添えて残します。のメタデータは残り、AI生成かは判定できます
- 切り替えは設定の Media Watermark。近日から順次使えます
何が起きたか
Googleは8月14日、AIが生成した画像・動画・曲から目に見える透かしを外せるようにすると発表しました。これまで生成物には見える印が入っていました。今回それが任意になります。
対象はNano Banana・Omni・Lyriaの3モデルです。切り替えはGeminiと動画編集ツールFlowで使え、検索での対応も近日中に続きます。順次公開で、設定 > Media Watermark から見える印のオンとオフを選びます。
外れるのは見える印だけです。目に見えないSynthIDの透かしと、C2PA規格のメタデータはそのまま残ります。
なぜ難しい・何がすごいか
見える透かしは、仕事の成果物には邪魔になります。資料に貼る画像、納品する動画、作品として出す曲。隅に印が焼き込まれていると、そのまま使えません。
かといって印を全部やめると、AIが作ったものかを見分ける手立てが消えます。
Googleは創作の自由と安全性のあいだで釣り合いを取ったと説明します。人の目に向けた印は任意にし、機械が読む印は必ず残す。GeminiのVP、Josh Woodward氏はXへの投稿でこう述べています。
見える透かしは任意になりましたが、目に見えないSynthIDの透かしとC2PAメタデータは透明性のために使い続けます。画像がAI生成かどうかは、GeminiやSearchで今も確認できます。
たとえ話
書類に押すハンコと、紙そのものに入った透かしの違いに近いです。ハンコは見ればわかるし、見せたくない場面では邪魔になります。
紙に織り込まれた透かしは、普通に見ている限り気づきません。それでも光に当てれば本物かどうかがわかります。
ハンコを省いても紙の透かしは残っている。今回の状態はそれです。
用語ミニ辞典
- SynthID: 生成物に目に見えない形で埋め込むGoogleの透かし。人の目では気づきませんが、判定する側は読み取れます。
- C2PA: コンテンツの出どころをメタデータとして記録する業界規格。何で作ったかの情報をファイルに添えて残します。
- Nano Banana / Omni / Lyria: 今回の設定が効くGoogleの生成モデル。画像・動画・曲を作ります。
- Credentio: Googleがオープンソースで公開する検証用ライブラリ。アプリの中に検証の仕組みを持てます。
技術者向けの深掘り
識別の担い手が、表示レイヤーから抜けました。見える透かしはピクセルとして焼き込まれるため、そもそも切り抜きや上書きで消せる印です。
残るSynthIDとC2PAメタデータは、生成側が入れて検証側が読む経路にあります。ユーザー設定で切れるのは前者だけという線引きです。
検証をどこで走らせるかも動きました。GoogleはCredentioGoogleがオープンソースで公開する検証用ライブラリ。アプリの中に検証の仕組みを持てます。をオープンソースで公開し、開発者が自分のアプリに検証の仕組みを組み込めるようにします。手元で確かめられる作りです。
背景には規制対応の流れもあります。直前には、AnthropicがEU規制に合わせてClaudeの生成テキストとファイルに透かしを入れ、議論を呼びました。
表示の透かしをどこまで見せるかは、各社で揺れている段階です。
これは自分に関係ある?
作る人は、印の有無を自分で選べます。資料や納品物で隅の印が問題だったなら、設定ひとつで外せます。ただしファイルにはSynthIDとC2PAの情報が残ります。
受け取る人は、見た目でAI生成を判断できなくなります。印がないことは、人が作った証拠になりません。確かめるならGeminiや検索の判定にかける手順が要ります。
アプリを作る人には、Credentioで自前の検証を組み込む選択肢が増えます。
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