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ペンプロッタで描くホログラム レーザーなしで立体が見える理由

3行まとめ

  • ペンで線を引く機械で、立体に見えるホログラム立体の情報を平面に記録したものです。筆者は、小さく切り出した破片にも場面全体が残る点を特徴として挙げています。が作れます
  • 秘密は、光を反射する細い溝の曲がり方にあります
  • レーザーも光学台も要らず、個人の工作で完結します

何が起きたか

ペンプロッタペンを持ったアームが動いて線を描く機械です。印刷機と違い、実際にペン先が紙をなぞります。でホログラムを作った記録が、個人ブログで公開されました。ペンプロッタは、ペンを持ったアームが動いて線を引く機械です。今回はペンの代わりに先の尖ったピックを取り付け、透明な板の表面に細い溝を刻みました。

素材選びは失敗続きだったと書かれています。最初に試した事務用のラミネートシートは、柔らかすぎて彫るときに動きました。小学校で使った削り出し式の色紙は、必要な溝の量に耐えられず破れました。

最終的に使えたのは、CDのプラケースです。中古品をまとめ買いし、真っ暗な部屋で懐中電灯を当てて立体像を確認しています。

なぜ難しい・何がすごいか

引っかかるのは、線を引くだけでなぜ立体に見えるのかという点です。

出発点は指の脂でした。筆者はオリーブオイルを指に塗り、スマホの画面を触っています。

画面に残った指紋の筋に光が当たると、細長いハイライトが浮かびます。光源から目まで届く経路が、筋のどこかで折り返せる場所だけが光るからです。

顔を動かすと、光る場所も動きます。ここが核心です。

カーブがゆるい溝ならハイライトは大きく動き、カーブがきつい溝ならあまり動きません。つまり溝の曲がり具合で、光点の動き方を操れます。

現実の世界では、遠い物ほどゆっくり動いて見えます。だから溝のカーブを距離に合わせて設計すれば、脳はその光点を奥にある点として受け取ります。

たとえ話

CDの盤面が虹色に光るのを思い出してください。あれと同じ現象です。細かい溝が光を跳ね返し、見る角度によって光る場所が変わります。

夜のフロントガラスで、ワイパーの拭き跡が対向車のライトで筋になるのも同じです。

今回の作品は、この拭き跡の光り方を狙って設計したものです。光そのものを描くのではなく、光が通る道筋を刻んでいます。

用語ミニ辞典

  • ペンプロッタ: ペンを持ったアームが動いて線を描く機械です。印刷機と違い、実際にペン先が紙をなぞります。
  • ホログラム: 立体の情報を平面に記録したものです。筆者は、小さく切り出した破片にも場面全体が残る点を特徴として挙げています。
  • 点光源: 一点から出る光です。懐中電灯のような狭い光源が要ります。
  • 曲率半径: カーブのきつさを表す値です。小さいほどきつく曲がっています。
  • 虚像: 物が無いのに、そこにあるように見える像です。

技術者向けの深掘り

処理の中身は、シーンの各点を1本の曲線に変換することです。点がカメラから遠いほど、曲線の曲率半径カーブのきつさを表す値です。小さいほどきつく曲がっています。を大きく取ります。ハイライトの見かけの移動量が曲率半径に反比例するため、これで奥行きが伝わります。

各点はおおよそ双曲面の断面になると説明されています。

x = d * tan(theta)
y = d * sec(alpha) * (sec(theta) - 1)

d は点から画像平面までの距離、theta は水平方向の視点角度、alpha は面の法線に対する光の角度です。0度付近から見る前提なら円で近似でき、手描きの先行例はコンパスで引ける円を使ってきました。ペンプロッタなら形の複雑さは問題になりません。

制約もあります。点光源一点から出る光です。懐中電灯のような狭い光源が要ります。が必須である点は、環境光でも見えるレインボーホログラムとの大きな違いです。溝を増やすほど像は良くなりますが、表面は荒れていき、最後はつや消しの塊になります。

これは自分に関係ある?

  • 予備知識がない人: 光学を学ばなくても、最初の一歩は自分の手で試せます。油を塗った指でスマホ画面を触り、光の下で顔を動かしてみてください。
  • 手を動かすのが好きな人: 要るのは中古のプラケース、先の尖った細いピック、点光源のライトです。ホログラムには高価な装置が要るという前提が、ここでは外れます。
  • エンジニア: 3Dシーンの出力先が画面でないとき、何を計算すべきかを考える題材になります。ここでは画素の色ではなく、光の経路が出力対象です。

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