3行まとめ
- サイトが自分の機能を「ツール」として宣言し、AIエージェント人の代わりに操作を進めるAI。ここではブラウザの中で動くものを指します。が直接呼ぶ仕組みです
- これまでエージェントは画面を見て操作方法を推測していました
- Chrome 149で試験導入中。Cloudflareは設定1つで有効にできる機能を公開
何が起きたか
Cloudflareが2026年8月6日、開発者プレビューを始めました。自社サービスを使うWebサイトに、WebMCPサイトが自分の機能をAIエージェント向けのツールとして公開する、提案中のWeb標準。インターフェースを追加する機能です。
管理画面で設定をオンにするだけで済みます。サイトのコードもオリジンサーバーも変えません。サイト上の機能が、AIエージェント向けのツールサイトが公開する操作の単位。名前・説明・入力形式を持ちます。として公開されます。
WebMCPはWeb標準の案です。サイトが自分の機能を構造化されたツールとして公開し、ブラウザの中で動くAIエージェントがそれを呼び出せるようにします。Chromeでは149からオリジントライアル提案段階の機能を開発者が実際のサイトで試せる、Chromeの試験枠。が始まっています。
これまでWebMCPを使うには、公開するツールを設計してサイト側で実装する必要がありました。今回の機能は、あらかじめ用意されたツールパックを設定だけで有効にします。
なぜ難しい・何がすごいか
変わるのは主導権の位置です。従来のエージェントは、スクリーンショットやDOMから「どのボタンを押せばいいか」を推測していました。手順が多いほど解釈の余地が増え、途中で外れます。
WebMCPではサイト側が要素の目的を宣言します。検索や購入といった目的を持つツールを定義し、入力と想定される出力をJSONスキーマ入力と出力の形を、機械が読める形で定義する書き方。で明示します。エージェントが取り違える余地がここで減ります。
ツールはページ上で目に見える形で実行されます。ユーザーは処理が期待どおり終わったことを画面で確かめられます。サイト側のデザインもそのまま残ります。
たとえ話
飲食店の注文にたとえます。いまのエージェントは、客が厨房に入り込んで棚から料理を探している状態に近いです。手つきが器用でも、置き場所が変われば迷います。
WebMCPは、店がメニューを差し出す側の話です。何が頼めるか、何を伝えれば頼めるかが先に書いてあります。客は探さずに注文できます。
用語ミニ辞典
- WebMCP: サイトが自分の機能をAIエージェント向けのツールとして公開する、提案中のWeb標準。
- AIエージェント: 人の代わりに操作を進めるAI。ここではブラウザの中で動くものを指します。
- ツール: サイトが公開する操作の単位。名前・説明・入力形式を持ちます。
- JSONスキーマ: 入力と出力の形を、機械が読める形で定義する書き方。
- オリジントライアル: 提案段階の機能を開発者が実際のサイトで試せる、Chromeの試験枠。
技術者向けの深掘り
登録は document.modelContext を通して行います。ツールの名前・説明・入力形式・呼ばれたときの処理を registerTool で登録します。
書き方は2つあります。標準のJavaScriptで定義する命令型APIと、HTMLフォームに注釈を付ける宣言型APIです。
セキュリティは2つの層で効きます。1つはオリジン分離の要件です。document.domain が有効なドキュメントではAPIが無効になります。
もう1つは tools Permissions Policy です。既定値は self で、クロスオリジンのiframeでは無効になります。使うなら iframe に allow="tools" を付けます。
制限もあります。ツール呼び出しはJavaScriptで処理されるため、ブラウザタブかWebViewが開いている必要があります。ヘッドレスで動くエージェントは対象外です。
Cloudflareの実装はエッジで完結します。HTMLRewriterで各HTMLレスポンスに1行を足すだけです。読み込ませるのは /.webmcp/bridge.js で、オリジンのHTMLは変わりません。
これは自分に関係ある?
- サイトを運営している人: どの機能をエージェントに開くかを自分で選べます。人間向けのページを保ったまま追加できます
- Web開発者:
chrome://flags/#enable-webmcp-testingを有効にすれば手元で試せます。仕様は議論中で、今後変わる可能性があります - 普段使う人: 訪問先のサイトがツールを出していれば、エージェントの操作が当て推量でなくなります
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